「まあ、じゃあれだな」
「このあたりをゆっくり進んでみようか」
今度は一緒に教習受けてるOさん先行で
1速でゆっくり進む練習
お！Oさんいい感じで進んでる！
「じゃ、次、同じように走ってみて」
ヨシっ！
行くで！
教えてもらった通り
ゆーーっくりクラッチ開けて
お！進んだ！
足ステップに乗せて
おー！
おー！おー！
おー曲ったーー！！
うおー！！止まったー！
いやいや
ちょっとおかしいぞこれ
50過ぎのおっさんが
5キロ10キロで走るのがそんな嬉しいことなのかこれ？
だが嬉しい！
なんだこれ
そしてついに懸念されていた
外周コースへ！
あれ？
普通に走れてる？
シフトチェンジもうまくできてる？
いけるやん！！
おー！風よ鈴鹿へ！
素敵やん！！
てな感じで
無事1時間目終了
「二人とも、初めてにしてはよくできてた」
「なかなか走れてたんじゃないか」
え？
ちょい待て！
何そのねぎらい
えええーーー！！
知らん間に
鬼瓦煎餅が
ほ…
仏の顔しとる！
逆大魔神か！この教官
しっかしこれ
早くもなんか掴んだっぽいな！これ！
こうして自分の学習能力の高さに驚きながら
そのまま2時間目に…
教官も変わって心機一転！
やるぞ！！
……
「もー！何回言わせんの！」
「クラッチ握りっぱなしだって！」
「だーかーらー！！(怒)」
「なんで何度言っても縁石に足つくわけ？」
「止まるときは両方のブレーキ使う！」
「まーたー クラッチ握りっぱなしー」
え？
え？え？
ちyっとま！！
あれ？なんでこうなってんの？
1時間目は普通に…
えーと、走り始めたらクラッチだっけ？
すぐギア上げるんだっけ？
フットブレーキ？？
プッスン…
え？あれ？エンスト？
やばいやばい！！
えー一旦ニュートラルに入れてセル回して一速に入れてあ！ウインカーつけっぱなし消さなきゃ「プーーーッ」え！え！なんでクラクション鳴らした？うわ！教官めっちゃこっち見てるとにかく急いで発進しなきゃ
プッスン…
……
いやいやいや教官Uターンして戻ってくるよOさんめっちゃ心配そうにこっち見てるし後ろから四輪の教習車来てるわもうセル回してクラッチ入れて発し…
プッスン…
ああぁ
なんだろう
もう無理…
折れた…
はああぁぁぁ
帰りたい
今すぐ帰りたい
そっとここにバイクを置いて
あの出口を通ってうちに帰りたい…
つづく
